前回はソーシャルメディア上のクチコミの重要性とクチコミプロモーションについて取り上げました(前回のコラムはこちら)。今回は、ツイッターをはじめとした様々なソーシャルメディアの特徴をまとめて、企業が活用する場合のポイントについて、事例を交えてご紹介したいと思います。
一口にソーシャルメディアと言っても、メディアごとに様々な特徴があります。その特徴を把握しないことには、活用も難しい。今回は、それぞれのメディアを分類し、その特徴について事例を交えてご紹介します。
ミニブログ(ツイッター)
ミニブログには、「Amebaなう」「google buzz」などありますが、中でももっとも馴染みがあるのは「ツイッター」でしょう。今やユーザーがリアルタイムの情報を伝えられるメディアとして成長した感のあるツイッター。フォロー機能によって、自然発生的なコミュニケーションが促進されるため、企業のキャンペーンのクチコミに使われる例が多くなっています。
企業の公式アカウントも増えており、約75%の企業がツイッターを活用している、または興味があると回答しています(アイ・エム・ジェイ調べ)。
ツイッターは初期投資が必要ないため開始しやすいと言われていますが、盛り上がるかどうかについては、発信する情報はもちろんのこと、担当者の力量に左右される部分が大きいといえるでしょう。140文字以内だからこそ興味をひくための工夫が必要でしょう。
また、企業の公式アカウントとして運営していく場合には、担当者の力量にかかわらず、ガイドラインを作成し、それを基に運営することが重要だと思われます。企業がユーザーと応対する最前線となりえるので、例えば商品に不具合があったときなどにツイッター上ではどのように対処するのかなど、決めておくべきことは多いでしょう。
ガイドラインの策定には「英国政府 twitter戦略テンプレート」が非常に参考になると思います。英国政府がツイッターを運営する上でのガイドラインで、これからツイッターをはじめる企業、ツイッターのガイドラインを持っていない企業は是非一読をお勧めします。
「Template Twitter strategy for Government Departments」
http://www.scribd.com/doc/17313280/Template-Twitter-Strategy-for-Government-Departments
(抜粋)
・1営業日につき2~10のツイートを行う。ツイートの間隔は最低30分とする。
・リツイートしやすいように132文字以内にする。
・フォローしてくれた人にはフォロー返しをする。自動化サービスも活用する。
その他、ツイッターを行う上での複数の目的設定と目的に応じた評価指標の設定、予想されるリスクと対処方法など見るべきところは多いです。そのまま採用することはないでしょうが、少なくともどういったところを決めなくてはならないかの参考にはなるでしょう。
ツイッターを用いたマーケティング事例は非常に様々なものがありますが、ツイッターの特徴を活かした例として、下記の事例を挙げたいと思います。
■ラ王追湯(ツイートゥ)式典
http://twi-tou.rao.jp/
ラ王の生産終了に伴い、商品との別れを惜しむWEBのイベントとして開催されました。ツイッターを使ってラ王への想いをコメントした人の中から抽選で100名にラ王1ケースが当たるというキャンペーンでした。ハッシュタグ「#twi_tou」では8万件を超えるツイートがあり、非常に多くのクチコミ効果があったと言えるでしょう。さらにこれを新生ラ王のプロモーションにつなげており、こちらも今後の展開が楽しみです。
ブログ
ミニブログのような文字数の制限がないため、書き手の主張や趣味などが表れるのが特徴と言えるでしょう。熱心なファンを抱えるブロガーも多く、記事の内容が読者に与える影響は大きいといえます。また読者の趣味・嗜好に共通点が多くなるため、属性を絞ったプロモーションがしやすいといえます。(ブロガーが編集長となっている雑誌というニュアンスが近いかもしれないです。)
例えば、イベントにブロガーを招待したり、商品開発に参加してもらったりして、それ記事として取り上げてもらうなど、マーケティングの事例は様々あります。
■サントリー ブロガーイベント「森香るハイボールナイト」
http://topics.blog.suntory.co.jp/002616.html
ブロガーを招待して、ハイボールと料理を楽しみながら、ウイスキーやハイボールの基礎を知ることができるイベントです。多くのブロガーが記事にしていることからも、クチコミの大きさが確認できます。
ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)
「mixi」や「Facebook」、携帯だと、「モバゲー」や「GREE」などSNSは非常に影響が大きいといえます。SNSとは一言で言うとユーザー同士が交流できる会員制サービスと言えるでしょう。そのためにプロフィールや日記帳、掲示板などユーザー同士のコミュニケーションをしやすい環境が整っており、趣味や嗜好に合わせた様々なコミュニティが形成されています。例えばある商品のファンのコミュニティなどもあり、好意的なクチコミができやすい環境もあります。
■コカコーラ社 爽健美茶 mixiアプリ「サンシャイン牧場」とのタイアップ
http://japan.cnet.com/marketing/story/0,3800080523,20410991,00.htm
「爽健美茶ビンゴ大会」に参加するとサンシャイン牧場の畑に植えられる「爽健美茶の種」がもらえるというもの。種は通常の農作物の種と同様に育てることができ、成長すると「爽健美茶」を"収穫"することができるという内容でした。また、友人を誘ったユーザーにも追加で種を配布してキャンペーンの拡大を行っていました。
植物由来のプラントボトルの認知拡大キャンペーンの一環でもあり、プラントボトルと植物を育てるということがマッチしています。
掲示板
「ユーザー同士の双方向コミュニケーションが行われている場」として古くからあるものとして掲示板があげられます。2ちゃんねるなど大きな影響力を持つものもありますが、企業のマーケティングに掲示板を活用する例は少ないでしょう。自然発生的なクチコミはあるかと思いますが、炎上の危険性なども考えると意図してクチコミを発生させるのは難しいといえるでしょう。
クチコミサイト
「@cosme」、「食べログ」、「価格.com」、「フォートラベル」など、クチコミサイトは数多くあります。それぞれがことなる特徴を持ち、例えば@cosmeなら化粧品についての多くのクチコミが集まるようになっています。
これらのメディアは広告媒体としても魅力的ではありますが、販売促進や商品開発などにもクチコミを活用できます。@cosmeの場合、クチコミをユーザーの声として販促物に掲載できるようなサービスもあります。
また、クチコミを分析することで、ユーザー特性や競合商品と比較し、商品特性の分析、リニューアル前後での商品評価の変化など、様々な視点での分析ができます。
画像・動画共有サイト
動画共有サイトとして、「youtube」、「ニコニコ動画」「USTREAM」、画像共有サイトとして「flicker」などがあります。CMやメイキング映像などを「youtube」に掲載する例も多くなっています。単純に動画が見られるプラットフォームというだけでなく、コメント機能や、ブログなどへの動画の貼り付け、ツイッターなどと多くの人に共有しやすい機能を実装しているので、クチコミを意図する際には、利用するのが望ましいでしょう。
■ロッテ Fit's「ダンスコンテスト」
http://www.youtube.com/user/LOTTE
コミカルなダンスで有名なFit'sのCMを掲載しているだけでなく、ダンスの動画を投稿してもらいその再生数の多さでコンテストを行っています。ダンスの動画となると一般のユーザーにとっての障壁は高いとは思いますが、それでも多くの参加があるようです。
その他にも、「はてなブックマーク」などのソーシャルブックマークや、「OKWAVE」や「yahoo知恵袋」に代表されるQ&Aサイトなど、ソーシャルメディアと呼べるものは他にも様々ありますが、マーケティングに活用する機会は少ないと思いますので、個々の紹介は省略させていただきます。
様々なメディアの紹介だけで長くなってしまったので、今回はここまでとします。次回はいよいよソーシャルメディアとマーケティングの最終回です。これまでの内容を踏まえて、活用の際のポイントをまとめ、自社CGMについて取り上げたいと思います。
次回のアップは、9月9日(木)を予定しています。よろしくお願いします。